こんにちは!カンガルー師匠です。
今回は、私がUSCPAのBECに86点で一発合格した勉強法をご紹介します。BECもアビタス教材だけで勉強しました。
試験直前の演習仕上がり具合
前回のFARの記事とほぼ同じ仕上がり具合だったので、詳細はそちらをご参照ください。要約すると下記の通りです。
- アビタステキストの演習は3周して正答率9割強
- AICPAリリース問題は試験直前で8割強の正答率
- アビタス模試は78点
模試は80点以上欲しい所ですが、WC問題の一つが全く出来ず、そこで大きく減点を受けました。それを除いた全体的な仕上がりは8割強といえますが、他科目の結果を見てもやはり8割というラインが、本番である程度余裕を確保して80点以上で合格するための目安になると思います。
Written Communication (WC)対策
BECの最大の難関といえば、Written Communication、要するに作文ですね。私はアビタスのWC対策テキストのみを使い、以下の方法で演習を繰り返しました。
- 回答の型を覚えて出だしと締めを機械的に書けるようにする
- 時間を測り、本番のつもりでwordに回答を書く
- Wordの「変更履歴の記録」を使い、自分の回答を修正する
- 専門用語を英語で書けるようになるまで暗記する
- 英作文でよく使う表現を覚える
ちなみに、WCが占める割合は15%なので、WCを白紙で捨てて合格することは非常に難しいでしょう(そもそもWCを白紙にしてもMCやTBSで挽回出来る人なら、WCは得点を取れるはずです)。WCで出題されるトピックはBECの各テーマに沿っており、WCの対策を進めることがMCやTBSの得点アップにもつながると思うので、投げ出さずに取り組みましょう。
回答の型を覚えて出だしと締めを機械的に書けるようにする
英語のエッセイでは、Intro, Body, Conclusionでパラグラフを構成するルールになっています。日本語の起承転結をよりカッチリ守ろうというイメージです。英語の作文の一般論として、この構成が守られていないと評価されません(TOEFLなどの試験でも同様)。
BECのWCは15分ほどで回答することを想定しており、それほど長い作文である必要はないです。つまり何が言いたいかというと、型を暗記し、それに問題文の内容を当てはめればBodyとConclusionはほとんど完成しちゃうのです。
Bodyの構成や表現を練り込むことに時間をかけるべきで、IntroやConclusionは定番の型+問題文の表現の流用で効率よく最低ラインに仕上げることが重要です。
「アドミ業務外注の選択肢を述べ、相手の会社に勧めるものを述べよ」という設問があったとすると、使い方は以下のようになります。
This is a memorandum to explain the external resources available for contracting out administrative jobs in your company.
There are three major external outsourcing method, namely shared service, outsourcing and offshore operations.
First, [shared serviceの説明[
Second, [outsourcingの説明]
Finally, [offshore operationsの説明]
In your company’s case, [相手の会社に勧める選択肢とその理由の説明]
If you have any questions on this matter, please feel free to contact me.
Sincerely,
回答の型を覚えてスラスラと書けるようにしておくことで、機械的に1分で全体を構成し、[]内の説明を練り上げるのに多くの時間を充てられるようになります。
時間を測り、本番のつもりでwordに回答を書く
WC対策演習を始めてすぐの時は15分では全然書き切れないかもしれません。それでも、初めから時間を守り、15分でエッセイを仕上げるという感覚を叩き込むことが重要です。
また、本番はキーボードでタイピングなので、当然英文タイピングにも慣れる必要があります。
Wordの「変更履歴の記録」を使い、自分の回答を修正する
自分でこうだと思う回答を仕上げたら、そこから模範解答に近付けていきましょう。まったくの見当違いのことを書いていなければ、必ずしも模範解答と全く同じである必要はなく、自分の回答をベースに修正していく方が効率的により良い回答文を身に付けることが出来ます。模範解答全部を丸暗記するのはナンセンスです。
Wordの「変更履歴の記録」機能を使うと、消去した文、追加した文を取り消し線や赤字で残せるので、模範解答やテキストを参考にしながら回答文を仕上げていきましょう。
なお、私はアビタス受講生でしたが、添削や質問は一度もしませんでした。面倒だったというだけの理由ですが、予備校のメリットが最も享受できるところだと思うので、不安な人は積極的に活用するとよいでしょう。
専門用語を英語で書けるようになるまで暗記する
当たり前ですが、WCでは専門用語も自分で書く必要があります。「個別原価計算って英語で何て言うんだっけ?」では話になりません。他科目では単語を読んで意味が分かればOKですが、BECではWCのために自分で書けるようになっておく必要があります。方法は各自の好みにお任せしますが、単語を書けるようになるまで暗記しましょう。
英作文でよく使う表現を覚える
英語が得意な方、TOEFL対策をしたことがある方などは問題ないでしょうが、以下のような英作文でよく使う表現は自由に使いこなせるようにしておきましょう。英作文が得意でない人は、上述の型と専門用語に加えてこれらも暗記が必要です。
BEC各テーマの勉強法
BECは扱うテーマが管理会計からファイナンス、内部統制に経済学と多様です。この章では各テーマの勉強法を解説します。
管理会計(工業簿記)
簿記2級のテキストを活用しましょう。理解度を上げるため、計算力をつけるためには簿記2級の学習が役に立ちます。
また、私は管理会計に対する理解度を高めるため以下の本を読み込んでいました。多くの人が勧める良書であり、経理パーソンとして常にデスクに置いておきたい一冊です。読みやすい文章で管理会計理論の背景や実務を学ぶことが出来、おまけに後述のファイナンスまでこの一冊でカバーできます。USCPAテキストでの勉強に疲れたときの気分転換にもなりますし、BEC学習のお供にマストの一冊です。
ファイナンス
上述の『ほんとうにわかる管理会計&戦略会計』でもファイナンスはカバーできますが、よりファイナンスに特化した本で補完したいというのであれば、下記の本がお勧めです。
説明がわかりやすいことに加えて、筆者のWebサイトからエクセルファイルをダウンロードして計算式を追うことが出来る点がおススメポイントです。NPVの計算については、実際にエクセルで手を動かして感覚をつかむことを強く推奨します。
内部統制
内部統制は取っつきにくかったので、まずはAUDの内部統制の章にも取り組んで理解度を高めました。
それでも尚苦手意識があったので、下記の本で日本企業での実務と合わせて勉強することにしました。J-SOXとUS-SOXがゴッチャになって却って混乱することに気を付けつつ、背景の考え方を理解するために読みました。
そして最後は、COSOのフレームワークを英文で暗記する&フローチャートの問題を何度も解くという修行でした。私の場合、AUDが未受験でしたので、AUDでも得点源になるんだという気持ちで頑張りました。
試験本番の体験談・結果
MCで何問か「わかんねー」「どっちが正解や?」となる問題があり、TBSも各種差異の計算問題で頭がこんがらがって点を落としたかなという感覚がありましたが、全体としては模試やリリース問題で8割得点できた時の感覚に近いものでした。WCも型を覚えて時間内に書く訓練を積んでいたおかげで、知らないテーマじゃなければ5点中2~3点は取れるという想定でしたが、その通りになったと思います。
まとめ
BECはテーマが広く、英作文まであるものの、FARやREGのようにボリュームが多い訳ではありません。試験対策としては、何度も英作文を書くとか、フローチャートやフレームワークをきっちり暗記するとか、地道な努力が求められる科目だと思います。それと同時に、日本語の本で内容をしっかり理解した点が私の86点一発合格につながったと思います。
それでは、合格目指して頑張ってください!
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