就職偏差値を信じている就活生がかなり危険な理由3つ

就活

こんにちは!カンガルー師匠です。

今回から就活をしている大学生向けの記事も増やしていくことにしました。第一弾として、就職偏差値について取り上げてみたいと思います。

私も就活生の頃は就職偏差値を暇つぶしがてら見て、「自分が受かった会社はどうだ」とか、「この会社こんなに高いの」とか無駄な考えを巡らせていました。しかし、社会人になった今となっては、就職偏差値をまともに信じている大学生はかなり危険だと感じます。就職偏差値など、もうとっくに飽きられて無くなっているだろうと思って調べてみた所、相変わらず健在でしたので、こんなんまともに信じてたらヤバいよという記事を書いてみます。

就職偏差値とは

就職偏差値なんか意味無いと言いつつ、久しぶりに見たらやっぱり面白かったです(笑)。21卒文系版はこんな感じだそうです(出典)。

SSランク

[69] 国際協力銀行・日本銀行・野村證券(GM)・三井不動産・三菱地所

[68] 東京海上(SPEC)・ドリームインキュベータ・日本政策投資銀行・日本テレビ・日本取引所・野村證券(IB)・三菱総研

[67] 三大出版社・テレビ朝日・電通・日本生命(AC)・ 野村AM・フジテレビ・三菱商事・みずほ証券(IB)・みずほFG(GCF) ・SMBC日興証券(セルトレ)

[66] 第一生命(FE)・大和証券(GM)・ 日本郵船・博報堂・みずほFG(GM/AM)・三井物産・三菱東京UFJ(戦財/FT)・三菱UFJモルガンスタンレー(IB)・SMBC日興証券(IB)・TBS

[65] アセットマネジメント・伊藤忠商事・経営共創基盤・経団連・コーポレートディレクション・商船三井・住友商事・大和証券(GIB)・大和投資信託委託・テレビ東京・トヨタ・日本財団・野村総研(コンサル)・三菱東京UFJ(GCIB)・三菱UFJ国際投信・JA共済(AC)・JICA・JR東海・NHK

Sランク

[64] 朝日・共同通信・国際石油帝石・ジャフコ・新日鐵住金・大和住銀投信投資顧問・日経・ニッセイAM・日本経営システム・日本証券金融・日本M&Aセンター・任天堂・丸紅・三井住友AM・三菱UFJリサーチ&コンサルティング・ 読売・JXエネ

[63] 旭硝子・味の素・出光シェル・サントリー・証券保管振替機構・信越化学・ 全銀協・損保協・中電・東急不動産・東ガス・ドコモ・日証協・日本相互証券・農林中金・ホンダ・三井住友トラストAM・三菱重工・JFEスチール・NTTデータ経営研究所

[62] 小田急・キリン・京王・経済同友会・住友不動産・損害保険料率算出機構・東急・東京海上日動・東京建物・東電・日産・日本総研(コンサル)・ 阪急 ・三菱化学・三菱UFJ信託・みずほ総研(コンサル)・JR東・JRA

[61] アサヒ・上田八木短資・川崎汽船・住友化学・世界貿易センタービルディング・セントラル短資・大阪ガス・大和総研(リサーチ)・ 中日・東京短資・東京流通センター・東燃・日清製粉・日本生命・バンダイ・日立コンサルティング・富士フィルム・毎日・みずほ情報総研(リサーチ)・ JR西

[60] 花王・サッポロ・資生堂・首都高速・住友電工・双日・デンソー・トーア・再保険・東宝・豊田通商・日揮・日本郵便・JASRAC・ JT ・KDDI ・R&I

Aランク

[59] 産経・地電・電源開発・NEXCO中・NTTデータ・東レ・富士セロ・川崎重工・コマツ・森トラスト・キーエンス・キャノン・ANA・三井住友信託・武田薬品・三菱マテリアル・三菱東京UFJ銀行・預金保険機構・生保協・信託協・JA共済・信金中金・シグマクシス・ヤマハ・関電・日立

[58] SMBC・JFC・MS海上・NKSJ・第一生命・3Mジャパン・日東電工・森ビル・NEXCO東西・三菱倉庫・メタルワン・ 神戸製鋼 ・伊藤忠丸紅鉄鋼・旭化成 三井化学・ IHI・三菱電機・ADK・ソニー・ブリジストン・プルデンシャル生命・アビームコンサルティング・キッコーマン・ ヤクルト・ハウス食品・松竹・エイベックス

[57]みずほ銀行(OP) ・あいおいニッセイ同和・明治安田生命・住友生命・商工中金・郵貯銀行・NTT東西・野村不動産・阪神高速・JX金属・JSR・豊田織機・リコー・NTTコム・クラレ・帝人・富士通総研・日本能率協会コンサル・SBIC・三井不動産ビルマネジメント・三菱地所ビルマネジメント・オリエンタルランド・吉本興業

[56] JR九州・昭和電工・古河電工・島津製作・ニコン・鹿島・住友金属鉱山・宇部興産・住友倉庫・ソフトバンク・かんぽ生命・パナソニック・富士通(SE除く) ・日本総研(IT) ・全信組連・新生銀行・JCB・マネックス・QUICK・ NTTファシリティーズ・サンシャインシティ・東京ビッグサイト・村田製作所

就職偏差値を信じるとヤバい理由

就職偏差値を信じている就活生は以下の3つの理由で危険です。
①偏差値という学生のお勉強思考を引きずっている
②働く側としての当事者意識を持って企業を見ていない
③採用の裏事情を考慮していない

①偏差値という学生のお勉強思考を引きずっている

社会人の視点から一番ヤバいと思ったのが、学生のお勉強思考を引きずっていることです。そもそも偏差値は自分が受験生なのかでどの位置にいるかを示す指標です。平均が偏差値50で、だいたい上位16%にいると60、上位2~3%で70となります。たとえば、例年偏差値70前後の学生が東大を受けるとすると、模試で75くらいを取れたらA判定、65くらいならD判定みたいな使い方をします(数字はテキトーですが)。

これは皆が同じ試験を受けるから成り立つ話で、ビジネスではそういった考え方は一切しません。トヨタは車業界で偏差値70だけど、日産は最近ダメだから60くらいに下がったみたいな話を聞いたことがありますか?ビジネスでは、そもそも解くべき問題もゴールも自分たちで決めます。市場からの評価や純利益のような会計上の数値があるとはいえ、誰にどんな価値を届けて、どういった結果が出れば成功なのかは自分たちで定義します。

この考え方は、若者が自分の仕事をする時にも重要です。新入社員で伸び悩む原因として最も多いのが、学生時代の考えを引きずり、何らかの正解がある問題が用意されていて、それを解けばいいという考え方で仕事をすることです。真面目に入試を頑張ってきたガリ勉ほどこの考えに陥りがちです。こういうタイプは先輩や上司にも答えがある前提で相談をし、時には答えを教えてくれと丸投げしたり、本当に解決すべきことを自分で見つけられずに意味の無いことばかりして時間を浪費し、最悪の場合は周りから嫌われます。

入社1年目の最初の仕事は、上司も答えを知っている上で、自分で正解できるかチャレンジしてみようねというスタンスで与えられます。でも、そんなのは最初の最初だけです。次第に、上司も答えをすぐには見つけられない問題を自分で考え、相談するにしても問題設定と仮説を提示した上で一緒に考えて欲しいというスタンスでなければいけません。「答え知ってるんでしょ。教えてくださいよ」という相談の仕方はマジで嫌われますし、無能の烙印を押されますよ。

ということで、これから飛び込むビジネスの世界で最もイケてない学生的な考え方そのものである偏差値を信じて就活をしている学生は、かなり危険な兆候であるという自覚を持った方がいいです。

②働く側としての当事者意識を持って企業を見ていない

就職偏差値を信じているとヤバい2つの目の理由は、企業を偏差値でランク付けするという考え方に、働く張本人としての自分の視点が欠けていることです。大学の場合、多少の合う合わないはあれど、基本的に行けるなら偏差値の高い方に行った方がいいです。ただ、企業に就職する場合は、働く環境、扱う領域および職種という観点で、自分事として企業を選ぶべきです

まず働く環境ですが、年収や勤務地、忙しさといった点で自分の適正をよく考えましょう。これは自分のモノサシで判断するものですので、正解は自分にしかわかりません。年収は高いに越したことは無いですし、就職偏差値が高い会社はおしなべて給与水準が高いものの、テレビ業界のような衰退産業、配属ガチャのある商社、離職率の高い激務の金融やコンサルなどに本当に皆が行きたいと思っていて、そこに行くと誰もが幸せになるのでしょうか?

私の前職は衰退産業とまではいかないものの、将来が明るいとは言い難く、私は常に漠然とした業界全体への不安感を持っていました。グローバルな事業に憧れて入社したものの、国内の地味な部署に配属されて悶々と3年を過ごした知人もいます。Twitterに数多いるメーカー界隈の人は田んぼとイオンしかないド田舎へ飛ばされています。こういう働く側として直面するネガティブな点、逆にこれがあれば十分という自分にとって大事なポイントをよく考えて企業を選びましょう

次に、新卒就活ではたいてい総合職一括で採用され、どの部署に配属されるかは入社してみないとわからないですが、扱うビジネス領域と職種も学生のうちからある程度考えておいた方がいいと思います。有名なのは総合商社で、中東の石油事業から国内でのエビの卸売り、さらには人事などのコーポレート部門までどこに配属されるかわからず、配属ガチャと言われています。

確かに面接でどこの部署に行きたいか皆熱心に言うものの、結局は運次第です。とはいえ、完全ポテンシャル採用の第二新卒の転職をするのでなければ、扱ってきたビジネス領域と職種のいずれかが今後のキャリア形成の軸になります。つまり、最初に入った部署である程度今後の方向性が決まってきてしまうのです。職種別採用をしている会社もありますし、ジョブローテーションでどれだけランダムに飛ばされるかは会社次第です。入ってからのキャリアも就活時に意識した方が、将来に後悔するリスクを減らせます。

③採用の裏事情を考慮していない

最後は、採用する側の視点が一切かけていることも、就職偏差値を信じているアホな就活生らしい自分本位な考え方だなという話です。

どこの会社にも、職務分掌というのがあり、「○○をするには××部長以上の決裁(ハンコ)が必要」と定義されています。人を採用するというのはそれだけで多額のお金が動きますから、人事の偉い人(たいていは人事のトップでしょう)の承認が必要になります。一人採用するだけで、給料だけでなく会社負担分の厚生年金など固定費としてずっと払い続けることになりますからね。

で、人事の偉い人の承認が必要な訳ですが、それには最終面接まで世話をしてきた採用担当者が稟議書を作った上で、人事の偉い人にお伺いをたて、最終面接で学生を見て頂くのです。そこで合格なら目出度く決裁が下りて内定を出せる訳です。この時点では、それまで就活生を取捨選択する採用担当側も就活生と一蓮托生です。彼らも「人事の偉い人の前で就活生が失態を晒して俺の顔に泥を塗られたら困る」と、就活生がきっちり面接で受け答えして偉い人に気に入ってもらえるように祈っています。

せっかく人事の偉い人に面接の時間まで取ってもらってハンコを頂いたのに、内定辞退をされては困ります。また、入社して数年で辞められると、就職四季報などで公表している3年以内離職率に響きます。よって、無能な就活生を落として、優秀な学生を揃えた最終面接の段階では、「本当にウチに来る気があるのか」「ウチでちゃんとやっていけるのか」という点が採用担当にとって非常に重要になります。

玉石混交、大半が大したことが無い学生ばかりの一次面接は、優秀な学生であればどこでも通ります。この時点では入試の偏差値のように、偏差値65の大学(会社)に受かったから、それくらいならどこでも通ると考えても差し支えないのは事実です。しかし、面接を重ねていくと、話はそんなに単純ではなくなります。実際、採用担当から「うちは優秀な子でもうちっぽくなければ落とすよ」とか「うちの○○さんみたいになりそうってイメージが描けると採りたくなる」と聞いたことがあります。ここでも、ビジネスの世界はペーパーテストとは違うということです。

あと、学歴フィルターの話もありそうです。私が学生の頃のインターンの話ですが、就職偏差値が高いA社の方は学歴はそこまで気にしていないようで、宮廷と早慶から地方大まで様々でした。一方で、就職偏差値が低い方のB社は、ほとんど宮廷と早慶だけでした。上位校の人には関係ないですが、MARCH以下の人はこの辺も考慮した方がいいでしょう。

まとめ

就職偏差値を本気で信じている学生がいないことを祈っていますが、まずお勉強ベースの学生思考はビジネスにおいては最もイケてない考え方です。それに、いざ働く側になってみると、学生時代に考えてもいなかったような悩みを抱える可能性もあります。また、採用はテストの点が高い順に学生を採るような単純なものではないです。

就活時代はいっぱい悩むと思いますが、少なくともお勉強ベースの学生思考はヤバいです。就職偏差値を通じて、今回述べたような大人目線の考え方を学んでもらえればと思います。

それでは、この辺で失礼します。

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