こんにちは!カンガルー師匠です。
今日はUSCPAを通じて錯覚資産という概念について解説します。USCPA関連の検索ワードを調べる中で、「USCPA 英語話せない」というワードがありました。これを見てピンと来たので色々整理してストーリー組み立ててみました。
USCPAが英語話せなくて何が悪い
英語話せると勝手に期待したのはアンタだろ
「USCPA(米国公認会計士)を名乗る以上、英語もペラペラなんだろう」というイメージは、USCPAについて全く知らない人はもちろん、そこそこ知っている会計関係者でも抱いて当然だと思います。ただ、USCPA側からしたら、「いや、USCPAのテストにスピーキング関係無いし(^^;)」という話。
そりゃ、英語が得意/好きだからそんな試験を受けた、英語に対する向上心がある、仕事でも英語を使っているなど連想するのは理解出来ますし、実際に英語が得意な人も多いでしょう。ただ、繰り返しになりますが、なぜUSCPA試験と関係無いことまで勝手に期待するの?野球で3割打ったという実績の人に、ソフトボールでも3割打てるよねと決めつけますか?東大生はクイズ王じゃないとダメですか?
USCPAだから英語がペラペラと決めつけられて、出来なかったらUSCPA使えない説が出てくるのは理不尽な話です。
話は変わって錯覚資産について
錯覚資産とは、ふろむだという人が著書の中で提唱した概念で、「人々が自分に対して持っている、自分に都合のいい思考の錯覚及び、それを引き起こす事実のこと」です(出典)。
「USCPAに受かった」「米国公認会計士のライセンス持ち」というのは紛れもない事実で、それ以上でもそれ以下でもありません。そこから人々がこちらに対して都合よく「USCPAのあの人は会計も英語も出来る」「USCPAだからきっと英語ペラペラ」と思っていたら、まさにUSCPAが錯覚資産として機能していることになります。
ここで、「自分にとって都合よく」という点がミソで、前章で「USCPAだけど英語話せなくて何が悪い。そんなの勝手にアンタが期待しただけや」と言ったものの、そのマインドは捨てるべき。開き直っても意味がありません。人々が勝手に期待することはコントロール出来ないので、それを認めた上で「自分にとって都合よく」使う方が賢明です。
USCPAだから英語話せそう
→本当は自分より英語が出来る簿記2級の人がいるかもしれませんが、USCPAを理由にこっちにチャンスが回ってきたらラッキー。
USCPAの○○さんが言うと説得力あるわ
→それで向こうが納得して動いてくれたら儲けもん。ちなみに、戦略コンサルでは学歴はもちろん見た目や立ち振る舞いも要求されます。大企業の役員を相手にプレゼンするときに、「東大出身でシュッとしたコンサルがハキハキ言うのだから間違いない」と思ってもらうことが重要だからです。チンチクリン低学歴がオタクみたいな早口で喋ってたらね、、、(笑)
余談は置いておいて、錯覚資産という概念を理解し、USCPA(米国公認会計士)はその名前や希少性もあって錯覚資産として機能しやすいということを踏まえた上で積極的に活用していきましょう。
錯覚資産とホラや信用の違い
錯覚資産について勘違いしないように少し補足しておきます。まず、明らかな嘘、ホラを言って他者に都合よく解釈してもらうのは錯覚資産とは言いません。英語が全く喋れないのに自分から「オレ、USCPAなんで英語ペラペラっすよ」と言うのはホラであり錯覚資産ではありません。
次に、積み重ねた実績で得た信用も錯覚資産とは異なります。「USCPAだから~」というのは錯覚資産ですが、「○○さんだから~」というのは個人としての信用。もちろん、理想的なのは後者であり、USCPAを錯覚資産として活用しつつも、長期的には個人としての信用・ブランド形成を目指すべきです。
個人の成長・評価も複利効果
話をさらに飛躍させましょう。個人の成長・評価も資本主義の原則、すなわち複利効果で考える必要があります。複利効果とは、投資で得た利息をさらに投資して雪だるま式に資産が増えていくことであり、金持ちはますます金持ちになります。個人の成長・評価も同様に「何かをきっかけに成長した・評価された→次のチャンスが来る→さらに成長して評価される」という動きをし、このサイクルに入った人とそうでない人で格差は加速度的に広がっていきます。
資本主義であるマクロの世界と同様、個人の評価・成長というミクロの世界でも、元本とリターンをいかに早く増やして再投資していくかが重要です。USCPAという錯覚資産で周囲が都合よく評価してくれる、チャンスをくれるというのは、リターンや再投資の機会を増やしてくれることに相当します。では、元本はどうすればいいのかというのが次章での最後の締めにつながります。
中身×英語で勝負。どちらかがゼロなら意味無し
USCPAが英語を使って仕事をする時、中身×英語の積(掛け算した結果)で勝負と捉えると自分が何をすべきかわかります。そもそも、英語さえ出来ればいいのなら、会計と関係の無い部署の帰国子女、なんならフィリピン人のにーちゃんでもいい訳ですが、彼らは中身がゼロ(会計の専門性という意味ですよ)なので、いくら英語が出来ても掛け算の結果はゼロです。
一方で英語がゼロでもパフォーマンスはゼロ。会計にやたら詳しいJCPAのおじいちゃんはこんなもんでしょう。USCPAである以上、中身も英語もゼロではないはず。後はどっちをどれだけ上げて掛け算の結果を要求される水準に到達させるかという話。
私の経験的には、中身を伸ばすと英語の方は後からついてくると思います。海外で経理とはやや離れた仕事をした際、非常に苦労したことがあります。そもそも、何の話かよくわからないところに、全部英語でやられたらますますわからん。ただ、たまに経理要素が含まれる話になると大分やりやすかったので、やはり専門性が大事。
駐在員の人たちはローカルスタッフとのコミュニケーションで問題解決うんぬんと言っていましたが、そもそも英語環境になる時点で日本語よりパフォーマンス下がるのに、不得意な領域で勝負してどうする?日本語環境で出来ることが100だとしたら、英語環境では100以下になるのでは?ならば、少しでも得意な分野で勝負すべきでは?私はこんな風に感じていました。
また、海外経験が多い方でないオジサンでも、中身がきっちりある人たちは、英語のハンデを克服して仕事を形にしていました。そういう人の話には、英語が拙くてもローカルスタッフもちゃんと耳を傾けています。彼らは中身が200くらいあるので、英語の拙さで多少毀損しても、パフォーマンスは十分に高い訳です。
最後に
話がブワーっと広がりましたが、最後に一文でまとめておきましょう。
USCPAという錯覚資産を活かしてリターンや再投資の機会を増やしつつ、中身×英語に分解して自己研鑽して元本を増やし、成長と評価を複利効果で実現させていくべしというお話でした。

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